か・が←→くゎ・ぐゎ(直音対合拗音)分類表

目次


合拗音

 合拗音とは「クヮ・グヮ」で表される音のことを指します。「ク-ワ」「グ-ワ」と2拍で発音するのではなく、[kwa] [gwa] と1拍で発音されます。
 近世までの日本語では「カ・ガ」と「クヮ・グヮ」とは完全に別の音韻で、「カ・ガ」と発音されるか、「クヮ・グヮ」と発音されるかは、語によって決まっていました。

 合拗音は江戸では衰退が早かったらしく、19世紀初頭には既に「カ←→クヮ」「ガ←→グヮ」の区別が失われていたらしいことが当時の書物の記述(『浮世風呂』の例が有名)から窺えます。

 京都でも20世紀初頭までには区別が失われたようです。明治後半に行われた聞き取り調査に対して当時の京都市は、「字音の『クヮ』『グヮ』は總て『カ』『ガ』と發音して兩者の間に區別なし」と回答しています*1
 一方大阪・奈良・和歌山など近畿南部には、20世紀後半になってもまだ区別を残す話者が存在していました*2, *3。全国各地には今なお合拗音を残す地域があるかもしれません。

 四つ仮名の場合同様に、合拗音を含む語を覚えたい方向けの分類表を下に示します。ただし四つ仮名の場合と違い、「カ・ガ」と「クヮ・グヮ」との聞き分けはほとんどの方が出来るでしょうから、常日頃から発音し分けるようにして区別を覚えるという方法は少し採りづらいかもしれません。


直音(カ・ガ)←→合拗音(クヮ・グヮ)分類表

凡例

表・目次

カ・クヮ

ガ・グヮ

カイ・クヮイ

ガイ・グヮイ

カク・クヮク

ガク

カツ・クヮツ

カッ

ガツ・グヮツ

ガッ

カン・クヮン

ガン・グヮン

同じ部品を共有する漢字群が「か」「くゎ」に別れる例

ミニマルペア


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