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あ い う え お や ゆ よ か き く け こ きゃ きゅ きょ さ し す せ そ しゃ しゅ しょ (ホゥ) た ち つ て と ちゃ ちゅ ちょ つぁ つぉ な に ぬ ね の にゃ にゅ にょ は ひ ふ へ ほ ひゃ ひゅ ひょ ま み む め も みゃ みゅ みょ ら り る れ ろ りゃ りゅ りょ わ が ぎ ぐ げ ご ぎゃ ぎゅ ぎょ ざ じ ず ぜ ぞ じゃ じゅ じょ だ で ど ば び ぶ べ ぼ びゃ びゅ びょ ぱ ぴ ぷ ぺ ぽ ぴゃ ぴゅ ぴょ |
長く日本の中央語だったこともあり、体系そのものは現代共通語とそう変わりありません。「くゎ・ぐゎ」がないのも、四つ仮名(じ←→ぢ・ず←→づ)の区別がないのも共通語同様です。
ただ一つ特殊な音として、「どす」や「ます」など「す」で終わる助動詞に助詞が後続した場合にのみ現れる「軟口蓋摩擦音(フ・ホゥ)」があります。
これはドイツ語のch(ツェーハー)やスペイン語のj(ホタ)に似た感じの音で、たとえば「どすな」は「どフな」、「どすか」は「どフか」という感じに聞こえます。
いわゆる四つ仮名は、破擦音(「ち・つ」の濁ったもの)で発音されがちな共通語と異なり、京都では摩擦音(「し・す」の濁ったもの)として発音されることが多いようです。
鼻濁音はそれなりに聞かれます。ただし京都には、東京のように鼻濁音の使用を模範的と考える風潮そのものがないため、ほとんどの方が鼻濁音の存在はおろか「鼻濁音」という言葉すらご存じないのが実状です。そのため今後は共通語同様衰退してゆく可能性が高そうです。
なお鼻濁音を使う方の中には、「ぐにゃぐにゃ」や「ごにょごにょ」のようなガ行+ニャ行の繰り返しからなる擬音・擬態語を、「く゜にゃく゜にゃ」「こ゜にょこ゜にょ」と発音なさる方もいらっしゃいます。
母音の「う(u)」は、東京を含む東日本では唇をすぼめずやや曖昧に発音されますが、京都では他の西日本地域同様、唇をすぼめてはっきりと発音されます。
普段の会話の中でこの違いを意識することはまずありませんが、私は以前「プッチンプリン」のCMでタレントさんの言う「プッチン」の部分が何遍聞いても「パッチン」に聞こえるという経験をしたことがあります。
恐らくこれは、母音「う(u)」の発音法の違いが引き起こした極めて希なケースだと思うのですが、実際こういうこともあったわけですので、東日本出身の方が京都言葉を真似られる際は、「う」の段の発音にお気を付けなさった方がよろしいでしょう。
「ん」と「い」は入れ替わることがあります。
また「ん」は「う」とも入れ替わることがあります。
「ゆ」は訛ってよく「い」に変化します。
また京都方言には「(イの段)+い」で終わる形容詞、たとえば「惜しい・大きい・楽しい」等の連用形が訛って、
となる傾向がありますが、これも「ゆ」が「い」に訛る現象の一部です。
子音ではサ行、特に「し」がよくハ行(「ひ」)に変化します。
まれなケースとして、「ひ」が「し」に変わることもあります。
語尾の長母音が短くなる傾向があります。
3拍の5段活用動詞のみ、ウ音便を起こしたとき長母音が短くなる傾向があります。
「る」で終わる動詞の後ろに、ナ行の助動詞や助詞が続くと、「る」は撥音化して「ん」になることがあります。
「いの段」の音が「えの段」の音に転化することがあります。ただしこれは東北方言のように常にそうなるのではなく、単語単位でなるもの・ならぬものが決まっています。
「あの段」の音に後続する「わ」は、しばしば脱落します。
「動詞+接続助詞『て』」に「あ」または「お」で始まる補助動詞が続くとき、接続助詞「て」は補助動詞の先頭の音に同化されます。
また「動詞+接続助詞『て』」に「い」で始まる補助動詞が続くときは、補助動詞の先頭の「い」がしばしば脱落します。
京都言葉における音韻上の特徴としてもう一つ、連母音融合が皆無に近いということがあげられます。
たとえば以下のような現象は、日本各地いたるところの方言で見出される例ですが、京都言葉においてこうした訛はまったくといっていいほど聞かれません。
| 変化の仕方 | 例 |
|---|---|
| ×[ai]→[e:] | 「ない→ねえ」「高い→たけえ」 |
| ×[oi]→[we:]→[e:] | 「凄い→すげえ」「恐い→こええ」 |
| ×[ui]→[i:] | 「悪い→わりい」「古い→ふりい」 |
唯一の例外は「良い(よい)」という言葉です。これは[oi→e:]という変化を起こした「えい(ええ)」という形が根付いています(さらにこれが[e:→i:]と変化したものが、東京語の「いい」)。